AI 関連の輸出に支えられ、中国の 7〜9 月期の成長率は 4.5% に加速
2026年10月19日 19:16
中国国家統計局が 19 日発表した 2026 年 7〜9 月期の国内総生産(GDP)は、物価の変動を除いた実質で前年同期比 4.5% 増えた [1]。4〜6 月期の 4.3% から伸びが高まり、ロイター通信がまとめた市場予想の 4.4% も上回っている [1][4]。
1〜9 月の GDP は 107 兆 1071 億元で前年同期比 4.6% 増となり、政府が今年の目標に掲げる 4.5〜5% の範囲に収まった [1][3]。国家統計局の毛盛勇副局長は記者会見で、この 9 か月に経済の規模が 5 兆 7000 億元増え、同じ期間の増加としては過去 5 年で最も大きかったと説明した [2]。前期と比べた 7〜9 月期の伸びは 1.2% で、市場予想の 1.1% と 4〜6 月期の 0.9% をいずれも上回る [4]。
伸びを支えたのは輸出と製造業で、1〜9 月の輸出は人民元建てで 16.4% 増え、9 月だけをみると 29.6% 増に達した [1]。工業の付加価値は 5.3% 増え、なかでもハイテク製造業は 14.3% 伸び、品目別では 3D プリンターが 62.5%、リチウムイオン電池が 39.5%、産業用ロボットが 29.1% と生産を大きく増やしている [1]。ガーディアンによると、9 月の輸出は AI に関わる電子機器の出荷が増えて大きく伸びた [3]。オランダの銀行 ABN アムロのアナリストは、次のように分析している [3]。
今回の伸びの加速は主に、世界的な AI とハイテクの好況を受けた輸出の強さを映したもので、イランでの紛争による下押しや国内需要の弱さを補って余りある。
The Guardian(China's economy grows faster than forecast after AI boom boosts exports)
国内の需要は弱いままで、1〜9 月の小売売上高は 1.1% 増にとどまり、固定資産投資は 7.2% 減、不動産開発投資は 20.6% 減と落ち込みが続いた [1]。民間の投資は 10.4% 減り、新築物件の販売面積も 13.2% 減っている [1]。9 月の小売売上高は前年同月比 1.1% 増と 3 月以来の高い伸びになったものの、BBC によると、オックスフォード・エコノミクスの研究者は不動産の低迷が終わる兆しはまだ見えないとし、貿易や地政学の不透明さが消費者を慎重にさせていると指摘した [4][5]。
1〜9 月の消費者物価指数は 0.9% の上昇にとどまり、都市部の調査失業率は平均 5.2% で前年と変わらなかった [1][2]。1 人あたりの可処分所得は物価の変動を除いて 4.4% 増えている [2]。
中国政府は大規模な景気対策を見送り、輸出の勢いで目標を達成できるとみている [4]。住宅の購入者への支援を広げ、地方政府が使い切っていない債券の発行枠から 5500 億元を回してインフラ投資を促す一方、インフラ投資そのものは 4.2% 減った [4]。中国の貿易黒字は昨年の過去最高の 1 兆 2000 億ドルを超える勢いで、欧州連合との貿易摩擦が強まるなか、ムーディーズ・アナリティクスのエコノミストは輸出という「ただ一つの外のエンジン」に頼る危うさを挙げた [4][5]。ユーラシア・グループで中国を担当するダン・ワン氏は、今年の成長率は 4.7% 前後になるとの見方を示している [4]。
参考文献
- [1]中国国家統計局(National Economy was Generally Stable with New Achievement Made in High-Quality Development in the First Three Quarters)
- [2]新華社(China's GDP expands 4.5 pct year on year in Q3)
- [3]The Guardian(China's economy grows faster than forecast after AI boom boosts exports)
- [4]CNA(China's economy picks up pace in Q3 as exports power uneven recovery)
- [5]BBC(China economy: Growth accelerates as AI export boom outweighs domestic weakness)