牛に広がるシャモンダウイルス、フランスで世界初のヒト感染を確認
2026年10月23日 07:29
牛などの家畜がかかるシャモンダウイルスに人が感染した例が、フランスで世界で初めて確認された [1][2]。同国の保健省と農業省が 22 日に共同で発表したもので、感染した患者は免疫の働きが大きく落ちた人で、10 月上旬に亡くなっている [1][2]。両省は、免疫が極めて弱っていた患者の「例外的な症例」だとして、現時点で一般の人に健康上の危険は見当たらないと強調した [1][2]。
患者は重い病気の治療でリヨンの病院に入院しており、亡くなる前に神経の合併症を起こしていた [1][2]。両省は初期の調べから、この合併症はシャモンダウイルスへの感染と「関係がある可能性が非常に高い」とみているが、臨床や疫学の調査はなお続いている [2]。感染は、動物の間でウイルスが春から夏にかけて広がっていたフランス東部で、ヌカカに刺されたことによるとみられる [1][2]。
シャモンダウイルスはオルトブニヤウイルスの仲間で、吸血するヌカカが運び、主に牛に感染するほか、馬やアルパカ、羊、ヤギでも見つかっている [1][2]。1960 年代半ばにナイジェリアで初めて見つかり、その後はアフリカの各地と日本で牛の感染が報告されてきたが、数十年にわたって広がっていながら人から検出されたことはなかった [2]。牛では急な下痢や発熱、元気の低下、乳量の減少を起こし、フランスの 9 つの酪農場を調べた研究では、感染した群れの乳量が最大で 75% 落ちていた [2]。市販のワクチンはまだない [2]。
欧州では 7 月末に初めて確認され、フランスの牛の農場を含め、すでに西欧の 14 か国に広がった [2]。BBC によると、アイルランドやドイツ、イタリア、スペインの家畜でも確認された [1]。
世界保健機関(WHO)は、記録に残る初めての人の症例だと認めたうえで、正式なリスク評価はまだ行っていないものの、今回は散発的な例で、いまの時点で広く広がる可能性は低いとの見方を示した [1]。季節にも触れ、こう付け加えた [1]。
ヌカカが媒介するウイルスの伝わりやすさは、一般に一年のうち寒い時期に低下する。
BBC(First human case of Shamonda virus detected in France, officials say)
欧州疾病予防管理センター(ECDC)も、フランスや欧州の関係機関と連携して、公衆衛生にどのような影響が考えられるのかを調べている [1]。フランス当局は、動物の病気だったウイルスがどのような経路で人にうつったのかを突き止める作業を続ける [1]。
参考文献
- [1]BBC(First human case of Shamonda virus detected in France, officials say)
- [2]France 24(France reports first human case of Shamonda virus, but says there's no public health risk)