子どもに断食を強いたケニアの教団指導者ら 29 人に殺人罪で有罪判決
2026年10月20日 06:10
ケニアの高等裁判所は 19 日、信者に子どもを餓死させるよう命じたとされる教団指導者ポール・マッケンジー被告と教団の幹部 28 人に、子ども 190 人と大人 1 人の計 191 人を殺害した罪で有罪を言い渡した [1][2][4]。港湾都市モンバサの法廷で判決を読み上げたダイアナ・モチャチェ判事は、信者がマッケンジー被告を「イエスの代弁者」と信じていたと指摘している [1]。
被告は全員が無罪を主張し、誰も死を強いられてはいないと繰り返してきたが、判事は犠牲者が自ら断食して死んだとする弁護側の主張を退けた [1][3]。判決文は 1000 ページに及び、検察局長のレンソン・インゴンガ氏も法廷に出向いた [3]。10 月 30 日に情状をめぐる審理を開いたうえで、11 月 6 日に刑を言い渡す [3]。
検察は 29 人の被告全員について、刑法 203 条に反して子ども 190 人と大人 1 人を殺害したことを立証したと認める。
The Star(Light moment as two Shakahola accused thought they were spared)
マッケンジー被告は 2003 年に教会「グッド・ニュース・インターナショナル・ミニストリーズ」を開き、沿岸の町マリンディの本拠から自前のテレビ局で説教を流して、全国の支部に数千人の信者を集めた [1]。終末の到来を説き、教育を禁じて近代の医療を「悪」とし、デジタルの身分証を「悪魔の刻印」と呼んだ [1]。2019 年に本拠の教会を閉じてからは、信者に沿岸部のシャカホラの森へ移るよう促している [1]。
2023 年 3 月に地元の牧畜民が最初の遺体を見つけ、森の浅い墓からは 400 を超える遺体が掘り出された [1]。マッケンジー被告は同じ年に逮捕され、2024 年 1 月に 191 件の殺人の罪で起訴されたほか、政府は同じ月に教団を組織犯罪集団に指定している [1][5]。判決によると、森の中での埋葬は「結婚式」と呼ばれ、死んだ人は「イエスと結ばれた」として祝われていたという [1]。被告の一人は、断食に従わない者は殴る蹴るの暴行を加えてでも天国へ送るべきだとマッケンジー被告が説いていたと述べた [1]。ある証人は、生まれたばかりの子に乳を与えることを禁じられた母親がいて、その子は 12 日後に死んだと証言している [1]。
起訴されたのは当初 31 人で、うち 2 人は審理のあいだに死亡した [3]。マッケンジー被告の元警備責任者は起訴されたのちに司法取引に応じ、検察側の証人になっている [1]。マッケンジー被告らはテロや過激化、子どもに教育を受けさせなかった罪などでも別の裁判を抱えており、殺人という最も重い罪で判決を受けるのは今回が初めてである [1]。6 人の子どもを全員亡くしたスティーブン・ムウィティさんの前妻も有罪となった被告の一人で、ムウィティさんは法廷の外で「全員が有罪になってうれしい」と BBC に語った [1]。
参考文献
- [1]BBC(Shakahola cult leader Paul Mackenzie guilty of 191 murder charges in Kenya)
- [2]The Standard(Makenzi guilty of murder of 191 people in Shakahola Forest)
- [3]The Star(Light moment as two Shakahola accused thought they were spared)
- [4]Al Jazeera(Kenya convicts cult leader over the murder of 190 children)
- [5]Wikipedia(Good News International Ministries)