訪日客が 1〜9 月の累計で前年割れ:中国からの客は半分以下に
2026年10月22日 06:45
日本政府観光局(JNTO)は 21 日、9 月に日本を訪れた外国人が前年同月より 5.0% 少ない 310 万 3700 人だったと発表した [1]。前年を下回るのは 2 か月続けてで、1〜9 月の累計も 2.9% 減の 3073 万 200 人と、2021 年以来 5 年ぶりに前年同期を割り込んでいる [2][3]。
落ち込みを主に招いているのは中国からの客の減少で、9 月は 44.5% 減の 43 万 800 人にとどまり、10 か月続けて前年を下回った [3][4]。2025 年 11 月に高市早苗首相が台湾有事をめぐって発言したあと、中国政府が自国民に日本への渡航を控えるよう呼びかけ、航空便も減っており、1〜9 月で見ると中国からの客は 55.5% 減と、半分に届かない [2][3][4]。
韓国からは 84 万 2300 人と 25.6% 増え、台湾も 59 万 5600 人と 13% 伸びて、韓国や台湾、シンガポール、インド、メキシコ、ロシア、中東地域の 7 市場が 9 月として過去最多を記録した [1][3]。米国は 3.2% 減の 21 万 7500 人、香港は 3.0% 減の 14 万 5000 人で、JNTO が重点を置く 23 市場のうち 16 市場が前年に届かなかった理由を、発表ではこう説明している [1][3]。
中東情勢による航空券価格の上昇に加え、航空便の減便や台風による欠航の影響等もあり、多くの市場で訪日外客数は前年同月を下回った。
日本政府観光局(訪日外客数(2026 年 9 月推計値))
1〜9 月の累計を国と地域ごとに並べると、韓国が 21.6% 増の 830 万人で最も多く、台湾が 19.1% 増の 600 万人で続き、中国は 330 万人だった [4]。米国は 5.2% 増の 250 万人、香港は 7.7% 増の 200 万人で、上位 5 つの市場で減ったのは中国だけである [4]。
観光庁が同じ日に公表した調べでは、客の数とは逆に旅行消費額が伸びており、7〜9 月期は前年同期より 3.2% 多い 2 兆 2076 億円、1〜9 月の合計は 1.9% 増の 7 兆 574 億円と過去最高を更新した [2][5]。
国と地域別の内訳では、7〜9 月期は台湾が 3818 億円で最も多く、全体の 17.3% を占めた [5][6]。前年同期に 5950 億円で首位だった中国は 39.8% 減の 3583 億円に落ち、韓国は 45.8% 増の 2938 億円、米国は 2409 億円だった [5][6]。訪日客 1 人が旅行中に使った額は平均 23 万 3677 円と 6.1% 増え、国別ではフランスの 42 万 3021 円が最も高い [4][6]。費目別に見ると、宿泊費が 35.2% で最も大きく、買い物代の 27.7%、飲食費の 22.9% が続く [6]。
JNTO は、2026 年 3 月に決まった第 5 次観光立国推進基本計画が、旅行者の数や旅行消費額、地方での延べ宿泊者数などに政府目標を掲げていることから、市場の動きを細かく分析しながら訪日旅行の売り込みに取り組むとしている [1]。
参考文献
- [1]日本政府観光局(訪日外客数(2026 年 9 月推計値))
- [2]産経ニュース(1〜9 月訪日客は 2.9% 減、5 年ぶり前年割れ 中国客 55.5% 減も消費額は過去最高)
- [3]トラベルボイス(訪日外国人数、2026 年 9 月は 5% 減の 310 万人、2 カ月連続の前年割れ、累計では 3000 万人突破)
- [4]Kyodo News(Foreign visitors' spending in Japan hits record 7 tril. yen in Jan.-Sept.)
- [5]観光庁(インバウンド消費動向調査 2026 年 7-9 月期の調査結果(1 次速報)の概要)
- [6]トラベルボイス(インバウンド消費額、2026 年 7〜9 月は 3.2% 増の 2.2 兆円、トップは台湾、中国は約 4 割減)