フィンランド政府、使用済み核燃料の最終処分場に世界初の操業許可
2026年10月23日 06:55
フィンランド政府は 22 日、南西部のオルキルオト島で整備が進む使用済み核燃料の最終処分場「オンカロ」について、運営会社のポシバに操業の許可を出した [1][2]。原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分に操業許可が出るのは世界で初めてで [1][2]、早ければ来年初めにも処分が始まる可能性がある [2]。
オンカロは使用済み核燃料を地下およそ 430 メートルの岩盤に埋め、10 万年以上にわたって人の暮らす環境から隔てる計画である [2]。燃料は銅製と鋳鉄製の二重の容器に収めて粘土で覆い、放射能が安全な水準に下がるまで閉じ込める [2]。一帯の岩盤はおよそ 19 億年前にできたもので、大きな地震や火山の噴火のおそれはほとんどないとされ、政府の許可は 2070 年末までとなっている [2]。
ポシバによると、許可の中心的な根拠になったのは、フィンランドの放射線・原子力安全センター(STUK)が 8 月に出した安全性の評価だった [1]。40 年を超えて続けてきた取り組みはこれで新しい段階に入り、処分の操業は 100 年以上に及ぶ見込みだという [1]。同社は電力会社の TVO とフォータムが持つ会社で、両社の原発から出る使用済み燃料を、将来の世代に処分の問題を残さないよう管理する役目を負っている [1]。
もっとも、許可が出たからといって処分がすぐに始まるわけではなく、ポシバは STUK の確認を受けながら試験や検査を重ね、試運転の段階を終えなければならない [1]。2024 年 8 月 30 日に始めた試運転では、放射能を持たない模擬の燃料を使って処分の工程全体と作業員の備えを確かめてきたが、同社は処分を始める詳しい日程を示していない [1][3]。
ポシバのイルッカ・ポイコライネン社長は「ポシバにとってもフィンランドにとっても、偉大で歴史的な日だ」と述べ、社会の安定と事業環境の見通しやすさがあってこその許可だったと振り返ったうえで、次のように語った [1]。
この解決策は、簡単だから築かれたのではない。簡単ではないのに築かれたのだ。それが責任ある行いであり、正しいことだからである。
Posiva(Historic decision: Finnish Government grants operating licence to Posiva)
ムルタラ環境・気候変動相は、原子力エネルギーの安全を確保することは「次世代に対して負う責務だ」とコメントした [2]。ポシバの知見は子会社を通じてすでに 19 か国へ輸出され、自国の処分の方法を探る国々の手本にもなっている [1]。
日本では、高レベル放射性廃棄物の地層処分を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)が、北海道の寿都町と神恵内村、佐賀県玄海町、茨城県常陸大宮市で文献調査を進めている段階にある [4]。
参考文献
- [1]Posiva(Historic decision: Finnish Government grants operating licence to Posiva)
- [2]共同通信(世界初、核最終処分場の操業決定 フィンランド政府が許可)
- [3]Posiva(Test operation - Countdown to starting final disposal)
- [4]原子力発電環境整備機構(NUMO - ニューモ - 原子力発電環境整備機構)