セルビア議会選、ブチッチ氏が敗北を認めて「学生リストが勝った」
2026年10月26日 05:48
セルビアで 25 日に行われた議会選挙で、与党セルビア進歩党の陣営を率いたアレクサンダル・ブチッチ前大統領が、投票の締め切りから 1 時間半ほどたった現地時間午後 9 時半ごろ、選挙対策本部で敗北を認めた [1][2]。層化抽出した投票所の集計をもとに、反政府の学生運動から生まれた「学生リスト」が定数 250 のうち 135〜140 議席を得て、自らの陣営は 105 議席にとどまるとの見通しを示している [1][2]。ブチッチ氏は次のように述べた [2]。
結果はまだ出ていない。多くの人が驚くだろうし、皆さんも一部の人がどれほどうそをついてきたかがわかるだろう。層化抽出の標本に基づけば、われわれがこの選挙に敗れたことは明らかだ。
N1((BLOG) Vučić: Izgubili smo izbore)
敗北宣言は学生リストの本部で歓声と涙で迎えられ、野党・民主党のスルジャン・ミリボイェビッチ党首は「マフィアかセルビアかの選択で、セルビアが勝った」と語った [2]。投票率は学生リストの集計で午後 8 時までに 69.1% に達し、選挙監視団体などの推計でも午後 7 時の時点で 67.8% と、記録的な高さになっている [2][3]。
選挙は、2024 年 11 月 1 日に北部ノビサドの駅舎のひさしが崩れて 16 人が死亡した事故をきっかけに、汚職への怒りから 2 年近く続いた学生主導の抗議のなかで行われた [3][4]。抗議は最も大きかったときにはミロシェビッチ政権を倒した 2000 年の運動以来の規模に膨らみ、9 月 9 日にブチッチ氏が議会を解散して前倒しの選挙を決めると、自らは 9 月 27 日に大統領を辞め、首相への返り咲きを目指して与党陣営の名簿の筆頭に立った [3][4][5]。セルビア進歩党は 2012 年から政権を握ってきた [3]。
学生リストの候補者 250 人は、大学の学部ごとの学生の集会が選んだ医師や俳優、大学教員らで、名簿の先頭はノビサド大学のイリヤ・スルダノビッチ教授が務める [3]。抗議を取り締まるなかで規則を破った当局者の追放や、公営企業の幹部に党の関係者を就けるのをやめること、公共放送を政治の支配から解き放つことを公約に掲げ、いくつかの野党は自らの名簿を取り下げて学生リストへの支持を呼びかけた [3][4]。
投票日には、南部ニシュのカフェで投票用紙があらかじめ記入されていたとする動画が出回り、選挙監視員や記者が襲われたとの報告も相次いだ [3]。自由選挙と民主主義センター(CeSID)は午後 8 時までに 300 件を超える不正の通報を受けたとしており、首都ベオグラードでは警察が大統領府や選挙管理委員会、公共放送の周辺を封鎖して、暴動を鎮める車両も配置した [2][5]。
ロイター通信は、学生側の勝利は 4 月にハンガリーでオルバン首相が敗れたのに続く大きな政治の転換になると伝えている [2]。議会の過半数は 126 議席で、ブチッチ氏の辞任を受けた大統領選も 12 月 27 日までに行わなければならない [4]。
参考文献
- [1]RTS(Вучић: Изгубили смо изборе, победила је Студентска листа)
- [2]N1((BLOG) Vučić: Izgubili smo izbore)
- [3]BBC(Early reports suggest record high turnout in Serbia elections)
- [4]Wikipedia(2026 Serbian parliamentary election)
- [5]Radio Free Europe/Radio Liberty(Polling Stations Close In Serbia As Vucic Faces Stiff Challenge In Pivotal Parliamentary Election)